注文住宅は自分の理想を形にできる住まいです。設計士と綿密な打ち合わせを繰り返すことになり、打ち合わせの度に理想が現実に近づいていく楽しみが味わえます。 注文住宅の設計で一番気を使うのが間取りです。間取りは図面のため、机上で考えることになります。それだけに「実際に住んでみたらどうなるのか?」を繰り返し考えることが大切です。 親戚の注文住宅が完成し、半年ほど経った頃に見学を兼ねて新築祝いに行ったことがあります。その時に、親戚から「間取りを考える時には想像力を働かせないと失敗する」と注意されました。親戚宅で「アレレ!?」と思ったのが、ウォークインクロゼットとご主人の書斎の配置でした。親戚の企図したところは、出張が多いご主人が自分で必要な衣類を纏めやすいようにしようと、ご主人の書斎とウォークインクロゼットを隣接し、夫婦の寝室はウォークインクロゼットを挟んでご主人の書斎と反対側に配置したそうです。しかし、ご主人は住み出してすぐに不満を感じたと言います。収納内部が通り道になっており、衣類やその他の荷物を思い切り置けないためです。ウォークインクロゼットとしては半端な位置づけになってしまい、書斎に居ても落ち着かないと言います。 収納スペースは、片付いた住み心地の良い家を作るうえで大切な問題です。収納を考える際は、物を使う時の動線をイメージすることが大切になります。物を取り出す時に不自由や圧迫感を感じないか?よく使うものが家族全員の手の届くところにあるか?収納スペースは収納したい物のサイズと合っているか?この3点は必ずチェックしましょう。 収納に次いで重要なのが、音の伝わり方を考えた間取りになっているかということです。騒音問題は、戸建でも蔑ろにできない問題です。注文住宅の間取りを考える際、家族の出す音がどのように伝わるのかを考えておきましょう。 リビングやダイニングの真上に子供部屋を設置して、その子供部屋がフローリングだと1階に居てくつろげません。同じ理由で、受験生の居る勉強部屋をダイニングの真上に設置すると、食洗機を使ったり友人を呼んで食事会を開くことが憚られます。2階の間取りを考える際は、住宅の縦の断面図を書いてみることをお勧めします。 |